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脂質異常症の本当の恐ろしさを知っていますか?

 2016/10/28 ヘルスケア この記事は約 11 分で読めます。 684 Views

脂質異常症というと聞きなれないかもしれませんが、この病気は以前高脂血症と呼ばれていたものです。

この脂質異常症の患者数は40代で言えば男性は19.3%で女性は5.6%(平成26年度)と女性の方が少ないですが、総患者数で言えば男性が59万6千人であるのに対して女性は146万5千人(平成24年度)と女性の方が3倍近く多くなっているのです。

これは女性の脂質異常症患者は50代以上で急激に増えていることを意味しており、今の段階から脂質異常症についての正しい知識を持ち予防していく必要があるのです。

そこで今回は脂質異常症についての正しい知識、現在の状況、脂質異常症にならないための予防法を紹介します。

 

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脂質異常症とは?

脂質異常症はかつて「高脂血症」と呼ばれていました。

脂質異常症の判断基準となる血液中の脂肪分は中性脂肪(トリグリセライド)、LDLコレステロール、HDLコレステロールの3つです。

このうちのHDLコレステロールは善玉コレステロールとも呼ばれ、高い方が健康に良いとされており、これまでの高脂血症という病名ではそぐわない部分が出てきてしまうことから、「脂質異常症」という名称に変更されました。

 

脂質異常症の分類

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脂質異常症の判断材料となる3つの脂肪分の成分により、脂質異常症は高トリグリセライド(中性脂肪)血症、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症に分けられます。

また遺伝的な要因により脂質異常症となる原発性高脂血症、甲状腺機能低下症や慢性腎不全等、又は薬の副作用で脂質異常症を発症してしまう二次性(続発性)高脂血症も存在します。

 

主な原因は生活習慣の悪さ

脂質異常症の原因となるのは食生活と運動習慣です。

暴飲暴食でごはんを何杯も食べたり焼肉食べ放題でしばらく動けなくなるほど肉を食べたりしていると、当然ながら摂取カロリーが多くなりすぎてしまいます。

これほど極端でなくとも、かつて運動部で鍛えていたときと同じ食生活を続けてしまっていると余剰分のエネルギーが出来てしまいます。

 

この余剰分のエネルギーは中性脂肪等として蓄えられてしまいますので、脂質異常症の原因となります。

逆にある程度食べ過ぎていたとしても運動をしっかりとしていれば余剰分のエネルギーは出てきませんので脂質異常症のリスクは抑えられますが、食生活が乱れていても問題ないほどの運動量となるとアスリートですら驚くようなレベルになってしまいます。

そして食生活が理想の摂取カロリーであっても運動量が少なければ余剰分が出てきてしまいますので、食生活と運動の両方を改善することが重要となります。

また喫煙によってHDLコレステロールが減少してしまうので、禁煙に挑戦することも重要です。

 

実はコレステロールを食事で制限しても意味がない!?

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脂質異常症の治療をしている方や動脈硬化等を気にしている方から聞いた、健康診断でコレステロールが高いと言われた等で医師にコレステロールを摂り過ぎないよう言われた。

といったように、コレステロールを摂りすぎるとコレステロール値が高くなるようなイメージを持っている方は非常に多いでしょう。
実際に数年前はそれが医療関係者の間でも常識でした。(一部の方はかねてより疑問に思っていたようですが…)

しかし2015年に改訂された食事摂取基準ではコレステロールの基準はありません。

 

実は血中コレステロールの7~8割は体内で合成されたコレステロールで、食事から摂るコレステロールは2~3割しか占めていないのです。

更に体内で合成されるコレステロールは食事でコレステロールを多く摂取した場合には少なくなり血中のコレステロール値が一定になるように調整します。

つまりコレステロールを食事で多く摂ったからといって、血中コレステロールに影響はほとんどないのです。

このコレステロールの摂取基準が見直されるきっかけとなったのは2015年2月に米国で一般国民向けガイドラインにてコレステロールの摂取制限を無くしたこととで、これに追随する形で日本でもコレステロールの摂取制限がなくなりました。

 

ではコレステロールを貴にせず何を食べても良いのか?

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コレステロールの摂取制限がなくなったからといってロッキーの映画のようにジョッキいっぱいに生卵を割り入れて飲んだり、いくら丼をいくら食べても大丈夫と言うわけではなく、摂取カロリー等のバランスが取れた食生活を心がけることは継続する必要があります。

鶏卵もいくらも栄養価は高く、多量に食べ過ぎるとカロリーオーバーになってしまう危険性があります。

また、既に高脂血症になってしまっている方の場合はコレステロールの調整が出来なくなってしまっているケースもあるので、極端に避ける必要はありませんが好んで多量に食べない方が良いでしょう。

 

脂質異常症はメタボリックシンドロームの判断材料のひとつです

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近年メタボリックシンドローム、通称メタボという言葉が急速に広まっています。

このメタボリックシンドロームの診断基準としてよく広まっているのはウエストが90cm(男性の場合85cm)を超えていることでしょう。

その為ウエストの太い方をメタボ体型と揶揄している方も多くいらっしゃいます。

しかしウエストが太いだけではメタボではなく、ウエストが基準値を超えることに加えて、高脂血症、高血圧、空腹時高血統の内2つの項目に引っかかることがメタボリックシンドロームの診断基準となります。

 

脂質異常症を放っておくと…

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メタボリックシンドロームの診断基準にもなっている脂質異常症ですが、自覚症状がほとんど無いサイレントキラーと呼ばれる部類の病です。

サイレントキラーは自覚症状が無いので気が付かないうちに進行し、おかしいと感じたときには命に関わる状態になってしまうことの多い病気のことを指します。

脂質異常症自体は血中の脂肪分が多くなり血液ドロドロの状態になることで、これに対しての自覚症状はほとんどありません。

 

何かを感じたとしても「疲れているのかな」というようなことを思う程度ですので、健康診断の結果で初めて脂質異常症であることを知る方がほとんどで脂質異常症となってもそのまま放置する人が多くいらっしゃるのが現状です。

脂質異常症はそのまま放置すると、増えすぎたLDLコレステロールが血管壁に蓄積します。

そのコレステロールが活性酸素により酸化されるとマクロファージに取り込まれ、こぶのように大きくなり、血管はそのの分だけ狭くなり血液の流れを悪くします。

 

通り難くなると血液の成分の一部が水道管のさびの様にこびりつき、更に血管を狭めたり、血栓となり血液の流れを完全に止めてしまう事になるのです。

動脈硬化というと血管が硬くなるイメージが強いですが、このような血管が狭まり流れを悪くすることも動脈硬化になります。

この血栓が出来たり血栓が剥がれて血流に乗り詰まらせてしまった血管が心臓の冠動脈だと心筋梗塞、脳の血管だと脳梗塞となります。

厚生労働省によると日本人の平成27年の死因第2位は心疾患、第4位は脳血管疾患となっており、脂質異常症を放置してこれらの疾患になってしまえば既に手遅れ…という事になりかねないのです。

 

LDLコレステロールは下げすぎてもいけない?

悪玉コレステロール、善玉コレステロールとは?

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よくLDLコレステロールは悪玉コレステロール、HDLコレステロールは善玉コレステロールと呼ばれます。

善悪という名称が入る場合「悪玉は可能な限り少なく」「善玉は可能な限り多く」という印象を持つ方もいるでしょう。

実際に健康診断で「高すぎるので下げましょう」といわれるのは「悪玉コレステロール」、「低いので上げましょう」といわれるのは善玉コレステロールです。

 

悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールは血流によりコレステロールを体中に運搬する役割を持ち、善玉コレステロールと呼ばれる「HDLコレステロール」は血管中で使われず余ったコレステロールを回収する役割を持ちます。

その為運搬量を少なくし回収量を多くする、「善玉を増やして悪玉を減らす」という考え方は一見正しいように見えてしまいます。

しかし運搬されたコレステロールは細胞膜、ホルモンの原料となる為、LDLコレステロールが少なすぎるとこれらが作ることが出来なくなってしまいます。

 

コレステロールは低すぎると逆に死亡率が上がる

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先述したようにLDLコレステロールは体中の細胞やホルモンを作る上で必要不可欠な存在であり、過剰にLDLコレステロールを下げすぎるのもよくないのです。

その為健康診断でのコレステロール基準値が変更されようとしています。

従来の値では140~199で統一されていた総コレステロール値は
男性:151~254
女性 30~44歳:145~238
   45~64歳:163~273
   65~80歳:175~280

従来は60~119で統一されていたLDLコレステロール値は
男性:72~178
女性 30~44歳:60~152
   45~64歳:73~183
   65~80歳:84~190

このようにコレステロールの基準値が大幅に広げることが検討されているということで、専門家の方々の中でも様々な議論がなされているようです。

茨城県立健康プラザの追跡調査によると総コレステロール160以下(現在の基準値では正常値)の場合180~199の場合よりも死亡リスクが高く、260以上の場合死亡リスクが低くなったというような結果もあります。

 

この結果を批判のネタにしている人々もいます

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このような状況もあってか「現在の基準値はコレステロールを下げる薬を販売する製薬会社から賄賂を受け取った医師が決めた」等というような噂を出している人もいます。

噂の発信源がマスメディアの記事であれば「そんなに記事読んでもらいたいのか…」という感想だけで済みますが、「私は昔からそう思っていた」とアピールしている医療関係者からも出ています。

個人的には「このような根拠があってコレステロールの値はこのぐらいまでは高くても問題はなかったんだ」という発言であれば「なるほど」と感心しきりですが、「これは賄賂が~」「昔から製薬会社との癒着が~」というような話が出た途端に胡散臭く感じます。

 

基準値が低すぎるということは脂質異常症のリスクも嘘?

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このようなコレステロールの基準値が大幅に緩和されることが検討されているという話を聞くと、じゃあ結局脂質異常症って放っておいても問題ないんじゃない?と考える人がいるかもしれません。

確かに中には脂質異常症という診断を受けて過度にコレステロールを下げた結果逆に健康被害を受けてしまったという方もいるかもしれません。

しかし脂質異常症全ての患者が「これまで食べられなかった分食べまくってやる!」「卵食べまくってやる!」ということをしていいということにはなりません。

 

結局今までの脂質異常症から動脈硬化に至る原理が否定されているわけではない

現在出ている茨城県の追跡調査など他のコレステロールが高くとも問題ないとしている研究結果は、メカニズムの解明というよりも「調査をしたら統計がこうなりましたよ」というものです。

その為これまでの研究結果を積み重ねて見えてきた脂質異常症から動脈硬化に至るメカニズムそのものを否定しているわけではないのです。

同じ病気や薬についての論文を見比べると一見矛盾しているように見えるものもあります。

現在ほど厳しい数字にこだわる必要がなくなりそうだからといって暴飲暴食をしていると中性脂肪で血液はドロドロになりますし、余り過ぎたコレステロールが血管を狭めるというのもこれまでの莫大な量の研究データから出てきた結論となります。

コレステロールを下げすぎるような節制は必要ありませんが、暴飲暴食やアルコールの過剰摂取のような食生活の乱れや運動不足やストレスの溜め込みすぎ、喫煙には注意しましょう。

 

まとめ

いかがでしたか。

脂質異常症は動脈硬化に繋がる重大な病です。

基準が大幅に変化するなどの出来事はありますが、この点は変わりません。

「賄賂が~」「癒着が~」、等といって過度に煽っているようなメディアは妙な理論でターゲットにした相手には異常なほど追求をしますが、その後の変化で自分達が振り回した結果出てきた被害者に対して責任をとることは一切ありません。

あまり周りの出自不明な情報に左右されすぎることなく、健康を崩さないように気をつけるようにしましょう。

他に私が悪質だと感じたメディアの情報として「自作酵素ジュース」があります。

酵素ジュースとは何か?自作が何故危険なのかをまとめた記事を作成していますので、興味があればどうぞ
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